過去、Facebookは自らをプラットフォーマー(単なる情報の置き場所、というような意味です)であり、誤った情報があってもそれはユーザーの責任であるとしていました。
しかし、Facebookの影響力が強まるにつれ、この言い訳?は社会的に許容されなくなっています。
2016年の大統領選挙でも、オンラインの誤った情報が話題になりました。
典型的な例では、クリントン候補が、性奴隷を扱う犯罪組織を率いているというデマが出回り、銃を持った男性が、誘拐された子ども達を救出しようとして逮捕される事件まで発生しました。
(参考:In Washington Pizzeria Attack, Fake News Brought Real Guns)
2020年のコロナウイルス騒動でも、Facebookは誤った情報に対応することを求められているようです。
Facebook、コロナウイルスに関する誤った悪い情報を「好き」なユーザーに警告
Facebook、コロナウイルスに関する誤った悪い情報を「好き」なユーザーに警告
Facebookは、コロナウイルスに関する誤った情報に接したユーザーに対して警告を開始します。
COVID-19に関する有害または虚偽の内容を含む投稿をクリック、反応、またはコメントしたユーザーに通知が送信されます(モデレーターによって該当の投稿の削除がなされた後です)。今後数週間でFacebookに表示されるようになるこの通知は、WHOのサイト(ウイルスに関する誤った情報を正している)にユーザーを誘導します。
Facebookは3月に、ファクトチェックをする組織が虚偽または誤解を招くと判断したコロナウイルスに関するビデオ、投稿、または記事に4000万以上の警告ラベルを付けたとしています。 Facebookは、これらの警告ラベルにより、95%のユーザーが誤った情報をクリックするのを阻止したと述べています。
「人々がファクトチェッカーを信頼していることは大きな指標です」と国際ファクトチェックネットワークのディレクター、Baybars Orsekは述べています。ただし、Orsekはまた、Facebookのデータは外部の編集者または専門家によってレビューされる必要があり、同社はそのファクトチェックによる影響について定期的に見直しをする必要があると述べました。
Facebookは悪い情報をチェックするために世界中の数十の報道機関の利用を開始しました。 AP通信はその一つです。
Facebookはまた、「Get The Facts」という記事を宣伝しており、そこではCOVID-19の誤った情報に反論しています。
それでも、コロナウイルスに関する誤った情報がサイトに投稿され続けています。
オンラインの誤情報を追跡・調査するグループであるAvaazによる研究では、Facebookでコロナウイルスに関する100以上の誤報が発見され、ファクトチェッカーによって主張が虚偽または誤解を招くとマークされた後でも、何百万回も閲覧されてしまっていました。ファクトチェッカーによって虚偽であると指摘されても、Facebook上で虚偽としてマークされない記事もありました。
Avaazはその報告の中で、Facebookの現在のシステムが追跡できるよりも速くコロナウイルスの誤った情報が広がると述べています。グループは、Facebookが誤った情報にラベルを付けるのに22日もの時間がかかる可能性があることを指摘し、これは誤報が広まるのに十分な時間であるとしています。
(Facebook to Warn Users Who ‘Like’ Bad Coronavirus Infoの訳)
まとめ
インターネットで誰でも情報発信できるようになったことで、従来型の報道を担う会社は消え去るかと思われたけれども、全然そんなことはありません。
誰でも発信できるからこそ、本当の情報が際立つようになりました。
どれが本当の情報を末端ユーザーが知ることはできないので、結局誰が言っているかが問われています。
こうなると、従来型の報道各社は相対的に信頼されていることから、生き残っていくという事になります。
Facebookも前述の通り、「世界中の数十の報道機関の利用を開始」しているということです。
2020年は大統領選挙の年でもあり、fake newsが選挙にどのように影響を与えるかが気になります。
ではまた!
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