死刑については、廃止になる国が増えてきてはいます。
一方で、日本の他、アメリカ・中国のようなメジャーな国でも死刑制度は存続しています。
2019年の死刑執行件数はどうだったのでしょうか。
死刑執行の件数
(中東および北アフリカで実行は16%増加)
アムネスティインターナショナルによると、2019年の全世界の死刑数は、前年と比較して5%減少しました。ただし、中東および北アフリカの数は、2018年の501から2019年の579へと16%増加しました。
アムネスティインターナショナルの「2019年死刑判決と死刑執行報告書」(DEATH SENTENCES AND EXECUTIONS 2019)は、世界の死刑執行件数は2018年の少なくとも690件から2019年には少なくとも657件に減少したと述べています。これは10年以上で最小の件数です。
世界のすべての死刑はわずか20か国で執行されました。
アムネスティは、2019年には中国が最も多くの人々を処刑したと述べています。その数は数千人と推定していますが、それは国家機密であり、中国はアムネスティの世界合計(少なくとも657件)には含まれていません。また、北朝鮮とベトナムでの死刑執行件数を推定することはできませんでした。
イランはおそらく中国に次いで2番目に多く、少なくとも251人を処刑したそうです。
サウジアラビアは、2019年に184人を処刑しました。これは、1年間では最高の数であり、2018年の149人から増加しました。2019年には、合計178人の男性と6人の女性が殺人または薬物犯罪で処刑されました。それらの半分は外国人です。アムネスティは、政治犯の処刑も増加していると語っています。
イラクの死刑は、2018年の52件以上から2019年には100件までほぼ倍増し、世界第4位になりました。この増加は主に、ISISの元メンバーの処刑によるものでした。
イエメンと南スーダンでも死刑が執行されました。一方で、アフガニスタンについては2010年以来初めて、死刑執行がありませんでした。
アジア太平洋地域では、死刑を執行した国の数は2011年以来最低レベルに落ちました。日本では、2018年の15人から2019年の3人に減りました。また、シンガポールでも13人から4人に減りました。
世界では、106ヶ国で死刑が廃止されました。アムネスティは、すべての国で死刑を廃止することを望んでいます。
(DMM英会話デイリーニュースExecutions Up 16% in Middle East and North Africaの訳)
まとめ
アムネスティが2019年の死刑執行は世界で657件と言っても、この件数に中国は含まれていません。
中国では年間数千件は死刑が執行されていると考えられており、中国の件数が、世界全体の件数の過半を占める計算になります。
この意味では、657件という件数自体には意味はあまりないのかも知れませんね。(今更言うな!という話ですね、すみません・・・)
中国は人口が多いとは言え、人口あたりの死刑執行数でも多いということになります。
中国における死刑執行の件数が気になるところです。
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